研究開発日誌

CG研究・開発のちょっとしたメモ書き

CG技術の実装と数理: Decoupling Noises and Features via Weighted l1-analysis Compressed Sensing

2015-01-01 Conference CGMath

研究集会CG技術の実装と数理に参加した際の発表資料のまとめです.

研究集会CG技術の実装と数理 第1回 (2014/7/26-27)と第2回 (2014/10/4-5)に参加してきました. この研究集会では,SIGGRAPHのようなトップカンファレンスで紹介されている技術論文を題材に議論し,CG研究者と数学者の共同研究の発展を促す試みです.

今回は普段やっているNPR関連のトピックから離れて少し基礎的なことを勉強したかったので, ノイズ付メッシュからL1解析を利用して特徴を残しつつ平滑化する論文 Decoupling Noises and Features via Weighted l1-analysis Compressed Sensing を選択しました.

実装にあたって,完全に論文の結果を再現するには至りませんでしたが,L1解析の勉強ができたり,メッシュの特徴とは何かを考えることができて,個人的には面白かったです.

本論文では,ノイズが含まれている3次元メッシュに対し、コーナーや折り目の特徴を保って平滑化する手法を提案しています。まず、メッシュ全体を自動計算された最適なパラメータで平滑化します。さらに、元メッシュとの差分データからL1解析を用いてノイズとシャープな特徴を分離します。シャープな特徴を考慮しながら平滑化を行っていくことにより、特徴を保った平滑化結果が得られます。

シャープな特徴を考慮しながら平滑化を行うフレームワークは強力で,事前にシャープな特徴が分かっている場合には,かなりノイズが大きい場合でも綺麗なメッシュを復元することができます(図左). 一方で特徴解析の部分では完全に論文の結果を再現するには至らず,メッシュ解像度に大きく影響を受けて低解像度ではあまり上手くいきませんでした(図右).

特徴解析部分については課題が残ったので,ロバストに特徴解析を行うフレームワークを考えてみるのも面白いかなと思っています.

実装部分については,CG技術の実装と数理: 実装部分の紹介をご参照ください.

発表資料

研究集会プログラム

参考文献

[1] Decoupling Noises and Features via Weighted l1-analysis Compressed Sensing: http://staff.ustc.edu.cn/~lgliu/Projects/2014_DecouplingNoise/default.htm